秋の夜長に思うは食なり

秋の香りが漂っている。キンモクセイだったり、セーターの防虫剤だったり、銀杏だったり、焼きいもだったり。
銀杏は、限られた時季のもので、今年はビールのつまみに食べた。おなじように、塩ゆで落花生も、食べたかったが未食である。自宅が東京の千葉県寄りにあるので、千葉の落花生は贔屓にしている。
今年は台風の影響でか、新米も落花生も千葉県産に巡りあわない。
嗚呼、塩ゆで落花生の恋しいこと！

千葉県の落花生しか買わないのではなく、うちの近所では、手に入らないのだ。手に入りさえすれば、満たされるのに。
そういえば居酒屋で塩ゆで落花生を頼んだことがあるのだけれど、あれはたぶん冷凍食品である。冷食が悪いということはないが、皮がぺなぺなしていて指にまとわりつき、やけに塩味が強かった。
落花生というやつは茹でている時から土くさく、しかし食べるとほんのり甘くて、いい時季に熱いやつを食べれば枝豆よりも旨いんじゃないかと思う。
運動の秋は来た。食欲の秋も来た。芸術の秋も読書の秋も、楽しみたいものだ。

【今週のお題「秋の空気」】