レッツその日暮らし

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宇宙船ならいいのに

昨日、映画をみにいった。公開初日だった。

閉鎖病棟」だ。

原作の小説は読んでいたが、原作から抱いていた主人公のイメージは痩身で枯れ切った(しかし眼光鋭い)老人、というものだったので、映画化とはいえふたつは別のものとして鑑賞して楽しんだように思う。ストーリーが進むにつれて、自分の中の主人公像は次第に、いつか見た「相田みつを」の写真にスイッチしていった。

それにしても、映画のなかの精神科病院というのは、どうしてこう古ぼけた、うらぶれた建物なんだろう。

私がはじめて仕事で訪問した、入院設備のある単科の精神科病院は「駒木野病院」だと記憶している。その次が「井之頭病院」とか「松沢病院」なので、私の記憶の中では精神科病院というのはハイテクで宇宙基地のようなところなのだ。駒木野のワーカーさんにはじめてお会いしたときは、宇宙船のクルーみたいだ、かっこいいなあ未来だなあ、と単純に喜んでしまっていた。でも、東京でも中心部以外だったり、むしろ近郊の千葉や神奈川だって、古ぼけたうらぶれた病院はいっぱいあって、自分はただ「キレイなところ」しか見ていないのかもしれないけれど、それはまあ、ここでは置いておく。

そういえば、高齢者の長期入院が前提みたいな身体科の病院に行ったときもそうだったけど、長期入院というのは基本的にうらぶれていて、暗いものなのかもしれない。

自分がそこのMSWだったりPSWだったりしたら、入職時から、ここが職場かあ…ここに毎日来るんだな…と意気消沈すると思う。それはそれで、人生の修養なんだと割り切りながら。

映画のそれは演出上のテクニックで、うらぶれ感のなかに、そこに入院するひとたちやスタッフの、強さとか明るさを対比させてるんだヨ!!!そのくらいわかれヨ!!!と監督さんに言われてしまうかもしれないけど。浮かんでしまった感想は、感想だ。すごく率直な感想なんだ。

もし自分が入院するんだったら、うらぶれ感は到着時点で相当だと思うので、せめて建物は宇宙船チックであってほしいなあ。

お題「最近見た映画」