御護摩グルーヴ
何をしてもいい時に限って、何もしたいことが浮かんでこない。旅行は元々好きじゃない。遊ぶ、って何だかがわからない。
朝方にネットを見ていたら、家の割りに近所のことが出ていて、散歩のつもりででかけた。雨のなか、水溜まりに踏み込まないよう、周囲に追い抜かれながら歩いて行った。
すると、なんだこりゃ、の儀式に参列することができたので、そのメモとして書きます。
最近、千葉の成田山というのに両親が行ってきて、大層気に入って楽しかったようだ。その成田山の東京別院が、自宅から、頑張れば歩けないこともない距離にあるのだ。
自転車なら良かったのにと思いつつ着くと、朝のお勤めのようで、初めは遠巻きに覗き込んでいたけれど、散歩のついでのようなカジュアル感の、地域の人が老いも若きも、わらわらと駆け込んで来るので、ついくっついて入ってしまった。
真言宗なんちゃらは実家のなんちゃらでなんとなく覚えがある。はんにゃーじんぎょー、だ。始まるのは御護摩修行。護摩の炎は不動明王の智慧の炎で焼き尽くし、諸願成就を御祈念するのです、とパンフレットにある。
たまの気紛れでノコノコやってきて、一銭も身銭を切らずにお願いをかなえていただくのは虫がよすぎると思い、ただ静かに太鼓のリズムを聞き炎を見、合掌すべきは手を合わせ、一礼して来た。
こういうことを毎日来る日も来る日も、このお坊さんたちは現在も、真面目にやっているのだ。もちろん雨でも雪でも台風でも、きっと。
帰り道も歩いて、途中結構な降りかたになり、でも歩き通した。