レッツその日暮らし

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ゴージャスなリハビリ病院

ゴージャスなリハビリ病院に、訪問調査にいった。

ロビーに白いピアノがあり、自動演奏中だった。そんなものは初めてみた。ビートルズがメドレーで鳴っていた。受付で名乗って、職員さんに繋いでもらおうとしたら、しばらく待ったけれど会えず、結局入院中の本人の部屋に直接行ってくださいとなった。
エレベーターに乗ったら肉を焼くにおいが充満していた。乗り合わせた人々が話すところでは、今日は屋上でBBQをやるらしい。
部屋には本人がいなかった。しばらく待ったら戻ってきて、聞き取り開始。側についていた理学療法士さんの名刺をもらった。
ちょっとしたリゾートホテル風の部屋。個室である。書き物机も部屋にはある。
その机で聞き取りのメモをまとめる間に、本人はまた歩きにいった。1日合計数時間リハビリをするのだが、ぶっ続けという訳にもいかず、休憩を挟みながら数十分単位で部屋を出たり入ったりするんだそうだ。患者本人はずっとついていてくれる若い理学療法士さんのことを何者だと理解してるのだろう。

ここを出たら自宅で一人っきりだ。トイレのドアのそとで待っててくれる人はいなくなる。そもそもトイレに行きたいかどうか、聞かれなくても自分でわかるのか?この人。

そうそう、後日同僚がいうにはこの病院、部屋置きテレビのレンタル料金が1日単位でかかるだそうだ。見ない人なら本体ごと撤去だそう。テレビカードを購入するタイプしか知らなんだ。書き物机があるのになにか殺風景な気がしたのは、テレビがないせいだったか。
しっかりした家族がいて、テレビを契約しなきゃ済むはなしだけど、何せリハビリ生活は長くて、全個室で、時間は山ほどある。
本体が何台も買えそうなテレビ代金を請求されたら、年寄りはさぞ落胆するだろう。
それに、このホテル並みにきれいな病院を出て、地方の古い特養だの有料老人ホームに、行こうという気になるんだろうか。

フロアの真ん中は食堂になっている。(食堂には大きなテレビがある。)階を移動しなくても食堂があるのは、ここ以外では特養くらいじゃないのかな。
なんだか帰り道はアンタンたる心持ちであった。知らないことは世の中に溢れていると思った。そして電車の中で脚をダニだかノミだかにしこたま喰われて散々であった。